新海誠に関する雑記

雲のむこう、約束の場所』を視聴完了。これで新海誠の全作品(ファルコムは除く)を見たことになるのかな?で、気づいたことを箇条書き。
頻出テーマ・いわずもがな「距離と時間」。両者が一体になって現れる、という点が重要なのか。もうひとつのテーマが「再会」なんだけれど、むしろその不可能性が強調される。出会えたとしても、それはかつてのふたりとは違うふたりなのである。
頻出アイテム・さくら(wind、はるおと、秒速)、傘(はるおと・秒速)、飛行機(ef、雲のむこう、広義の飛行機ではほしのこえ)、電車(wind、はるおと、秒速)、線路(雲のむこう、ef)。つまりデモムービーと長編の間で引用が多い。
頻出構図・斜め横(奥行きを出すためか)、仰角(高さを強調するためか)、画面分割(つまり奇抜なものは少ない)、逆光(めがっさ多い)。
演出・フレアが不自然に入るのはnbkzの趣味。デモムービーではオーヴァーラップで春夏秋冬と季節を入れ替えるが(wind、はるおと)、長編でも「時間」を扱う関係上、季節の変化が強調される。「ef」後半の背景動画を見ると、『すて猫トラちゃん』というふるーいアニメを思い出す。背景ごと画面が180度回転したのは、たぶんアレが最初。
全体的にフェティッシュだなという印象。「はるおと」や「ef」なんて特にそうだけど、全身よりもパーツを描いた部分にこそ力が込められている。映す順番も「パーツの描写を複数回」→「全身」である場合が多い(windが特にそう)。
その他・新海誠は自分で脚本を書く必要はないんじゃないかな、と思う。「はるおと」の後半が今までのベスト(たぶん)。