2011-01-01から1年間の記事一覧

【緩募】今朝からtwitterに(なぜか)ログインできないということをtwitterに書きたくて仕方ない、この気持ちのやり場。

『恋愛ゲーム総合論集2』のRewrite特集に寄稿しました

冬コミで頒布するそうです。概要は主催者then-d氏のページを参照のこと。 http://d.hatena.ne.jp/then-d/20111211/1323612230 私tukinohaは「社会は維持できなくても良いし、人類は滅んでも良い――『Rewrite』序論」という挑発的なタイトルで寄稿しています。…

『Rewrite』論のためのノート(4)

Rewrite 初回限定版出版社/メーカー: KEY発売日: 2011/06/24メディア: DVD-ROM購入: 11人 クリック: 449回この商品を含むブログ (82件) を見る今回はTerra編。この作品のクライマックスであり、白眉。文明史であり、割と素直な恋愛物語でもある、という二面…

『Rewrite』論のためのノート(3)

Rewrite 初回限定版出版社/メーカー: KEY発売日: 2011/06/24メディア: DVD-ROM購入: 11人 クリック: 449回この商品を含むブログ (82件) を見る今回はMoon編。前半部分はロミオ節炸裂、という感じで、読んでいて心地良い。ただ、『最果てのイマ』の延長線上に…

『Rewrite』論のためのノート(2)

Rewrite 初回限定版出版社/メーカー: KEY発売日: 2011/06/24メディア: DVD-ROM購入: 11人 クリック: 449回この商品を含むブログ (82件) を見るサボっているあいだに原稿の締め切り直前となってしまったので、ペースを上げていきます。今回は個別ルート。 個…

「社会人」の概念史(2)

だいぶ間が空きましたが、前回の続きです。 前回は大正15年までを調査し、その結果 1.「社会人」という言葉自体、あまり使われない。 2.使われたとしても(監獄の囚人などと区別される)「一般社会で生きている人」くらいの意味。 3.戦後の早い時期に「…

『Rewrite』論のためのノート(1)

Rewrite 初回限定版出版社/メーカー: KEY発売日: 2011/06/24メディア: DVD-ROM購入: 11人 クリック: 449回この商品を含むブログ (82件) を見る今回は共通パート、すなわちオカルト研究会の結成〜崩壊までを取り上げます。ストーリィダイジェストをするつもり…

至高性sovereignty・主権severeignty・マルチチュード

バタイユは未完の著作『至高性』において、至高性の体験を現在におけるエネルギーの無限定な消費と定義し、ヨーロッパではフランス革命の辞典まで、王の至高性に同一化することで間接的に民衆も至高性を体験していたと述べる。ここでは至高性と主権が限りな…

ジョルジョ・アガンベン『アウシュヴィッツの残りのもの』

アウシュヴィッツの残りのもの―アルシーヴと証人作者: ジョルジョ・アガンベン,上村忠男,広石正和出版社/メーカー: 月曜社発売日: 2001/09/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 64回この商品を含むブログ (57件) を見るOutline:アウシュヴィッツにおける…

ジャン=リュック・ナンシー『無為の共同体』

無為の共同体―哲学を問い直す分有の思考作者: ジャン=リュックナンシー,西谷修,安原伸一朗出版社/メーカー: 以文社発売日: 2001/06/15メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 51回この商品を含むブログ (29件) を見るOutline:バタイユ、ハイデガーの読み直し…

なんとなく最近某ゼミで報告した際のレジュメを編集して公開します(ほとんど勉強ノートですが)。 取り上げているのはフランスの現代思想家ジャン=リュック・ナンシーとイタリアの文芸評論家兼思想家のジョルジュ・アガンベン。共通点はドゥルーズの影響を強…

砂義出雲『寄生彼女サナ』

自己と異なる他者に異なるものを発見し、異なるがゆえにそれを讃える人類学者は、自己の集団から遠く離れ、他者の集団にも決して同化することができないような存在である。そして彼の観点や方法は、あくまで彼の出自を決定している西欧の体制と歴史に属する…

また1ヶ月も更新が止まってしまいました。その間、パソコンを買い替えたり、座談会したり、現代思想のお勉強したり、アニメをみたり、怒ったり笑ったり、いろいろあったけど私は今日も元気です(いい話だ)。 それはともかく、遅れながら『Rewrite』をコンプ…

劇場版『そらのおとしもの』についての雑感

遅ればせながら観てきました。最初に感想を言ってしまうと、部分部分ではとても楽しいのだけど、作品全体としてはちょっと……といったところ。最大公約数的な意見を言うのもどうかと思うのですが、中盤の面白さに比して、序盤と終盤が圧倒的に弱い。詳細はネ…

『ヨスガノソラ』についての雑感

更新をさぼっている間も今季のアニメを見たり、少し前のアニメをDVDで見たりしていたのですが、その中で一番いいなぁと思ったのがこの作品。ギリギリセーフ、いや、アウト?な性描写で話題をさらっていったという点で記憶に新しいのですが、これ、普通によく…

8.『超昂閃忍ハルカ』

http://www.nicovideo.jp/watch/sm5089086 歌はUR@N「風のように炎のように」、アニメーション制作は「株式会社リリクス」とのことですが、ネットには全然情報がないので詳細不明。 これはエロいうえにストーリィも面白いという、美少女ゲームの優等生みた…

田中ロミオ『人類は衰退しました』第6巻

人類は衰退しました 6 (ガガガ文庫)作者: 田中ロミオ,山崎透出版社/メーカー: 小学館発売日: 2011/02/18メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 409回この商品を含むブログ (83件) を見るようやく最新刊に追いつきました。今巻には某鳥人間コンテストと小学館ネ…

「社会人」の概念史

最近、東京都副知事にして作家(!)であらせられる猪瀬直樹氏が、twitterで以下のようなに呟いていました。 仕事をしない専業主婦は、パートでもなんでも仕事をして社会人になってください。(放射線量の:引用者)数値の意味がわかるようになるしかありません…

大正期の社会と社会科学(5)

今回は創価学会の話をしましょう。なんでこの連載で創価学会?関係ないだろ、と思われるかもしれませんが、ど真ん中です。取り上げるのは、創価学会の前身・創価教育学会の設立者である牧口常三郎、そして大正期を代表する哲学者・左右田喜一郎です。 牧口が…

7.『俺たちに翼はない』

http://www.nicovideo.jp/watch/1262869503 アニメーション制作はアスリード、監督は細田直人。大傑作ですね。キャラクタデザインが本編とは全然違う辺りが特に良いです(これでアニメ化すればよかったのに)。制服のダサさだけはいかんともしがたいのですが・・…

田中ロミオ『人類は衰退しました』第5巻

人間は考える芋だと思いました。いつだって芋蔓式だから。 ―93頁― 人類は衰退しました 5 (ガガガ文庫)作者: 田中ロミオ,山崎透出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/01/19メディア: 文庫購入: 17人 クリック: 496回この商品を含むブログ (132件) を見る今巻…

6.『すぴぱら』

http://www.nicovideo.jp/watch/sm12704760 minori制作のデモムービーだけど、新海誠監督作品ではない、という位置づけ。未発売で情報もなく、クオリティの高いムービーだけが公開されているというちょっと奇妙な作品です。 前回取り上げた『はるのあしおと…

大正期の社会と社会科学(4)

ところで、我々の関心の対象である「社会」は、その抽象性ゆえに実証主義的な手続きで研究を行うことが困難な代物です。社会はその誕生と消滅を外部の制度によって保障されておらず、また、社会それ自体を具体的な制度に還元することもできません。そうであ…

5.『はるのあしおと』

http://www.nicovideo.jp/watch/sm273832 長編アニメーション作家として有名な新海誠監督作品。とはいえ、新海氏については意外と「短編だけ好き」という人も多いように思われます。特にファンが多いのが、minori制作のゲームOP。今回はその中から『はるのあ…

田中ロミオ『人類は衰退しました』第4巻

人類は衰退しました 4 (ガガガ文庫)作者: 田中ロミオ,山崎透出版社/メーカー: 小学館発売日: 2008/12/19メディア: 文庫購入: 15人 クリック: 197回この商品を含むブログ (188件) を見る第3巻のシリアス展開から一転、ゆるいコメディに回帰しています。ただ…

前回の更新からずっと京都にいたので、平凡な日常を送っています。被災したので更新できなかったとか、そういうわけではありません。知人もみな無事でした(確認できている限りでは)。 とはいえ、何事もなかったかのように普段通りの記事を書く気になれず、今…

4.『神樹の館』

http://www.nicovideo.jp/watch/sm15567 たまにはテイストの違うやつも、というわけでMeteor制作、シナリオは田中ロミオの『神樹の館』OPを取り上げてみます。ヴォーカルはいとうかなこ、作編曲はアストゥーリアス・大山曜の『籠の鳥の孤独』。ムービー制作…

田中ロミオ『人類は衰退しました』第3巻

人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫)作者: 田中ロミオ,山崎透出版社/メーカー: 小学館発売日: 2008/04/19メディア: 文庫購入: 19人 クリック: 755回この商品を含むブログ (266件) を見る最新刊も既に読んでいますが、「あとがき」が結構ショックでした・・・・・・…

円城塔「ポスドクからポストポスドクへ」

http://ci.nii.ac.jp/naid/110006825822 最近初めて読みましたが、傑作ですね。ポスドク問題の「救いのなさ」を、元当事者の視点から鋭く切り取ったエッセイです。ポスドク本人、大学、行政、社会の無理解、そのどれかに責任を押しつけて済むような単純な話…

3.『最終試験くじら』

http://www.nicovideo.jp/watch/sm4972712 一番好きなデモムービーです。まず名前がいいですよね、『最終試験くじら』。シンプルだけど意味深、大人の童話のような響きがあります。 歌はriya、デモムービー監督は井出安軌氏(『おねがい☆ティーチャー』『おね…