5.『はるのあしおと』

http://www.nicovideo.jp/watch/sm273832

長編アニメーション作家として有名な新海誠監督作品。とはいえ、新海氏については意外と「短編だけ好き」という人も多いように思われます。特にファンが多いのが、minori制作のゲームOP。今回はその中から『はるのあしおと』OPを選んでみました。映像の密度、視聴者にため息をつかせるような華やかさという点では次作の『ef』に軍配があがりますが、どこか装飾過多的なところがあって、新海作品のエッセンスだけを抜き出したような『はるのあしおと』の方が個人的には気に入っています。
制作過程については、新海氏本人の解説を参照のこと。
http://www2.odn.ne.jp/~ccs50140/works/minori_haru/index.html
新海作品に対する私の雑感は以下。
http://d.hatena.ne.jp/tukinoha/20080316/p2
長編作品との電車、桜、傘といったモチーフにおける共通性もさることながら、隔たった場所と時間を画面分割によってひとつの画面に共存させる手つきが、とても新海作品らしいなと思います。「近くて遠い」という矛盾した距離感。ここでのテーマは「ニアミス」ですが、それを反転すれば長編のテーマである「近づいているようで近づけない」になるのでしょう。