資料

中江兆民

・中江兆民における「社会的生活」と「懇親会」 ・中江兆民「懇親会」1888年(『中江兆民全集』11巻、岩波書店、1984年)。ここでいう「懇親会」については、全集11巻の解題(松永昌三)で次のように述べられている。「懇親会と称して、民権派人士の会合が各地で…

大正時代における家族と社会

・沢山美果子『近代家族と子育て』(吉川弘文館、2013) ・「家庭」「子ども」イメージの形成が明治20年代に進行。 →主婦によって担われる慰安の場としての「家庭」、「家庭の天使」としての無垢な子ども観。こうした「家庭」観はこの時点では現実的な基盤をも…

米田庄太郎について(研究史・社会問題論)

・米田社会学への評価 「未完の体系」への関心 ・河村望『日本社会学史研究・上』(人間の科学社、1973年)。 〔米田社会学では〕ジンメルにおける社会有機体説、総合社会学批判と結びついた、社会学の固有な対象領域を求める試みは十分理解されず、ジンメルの…

近代日本思想史とエネルギー概念

【先行研究】 ・19世紀におけるエネルギー保存則の確立 小山慶太『漱石が見た物理学』中央公論社、1991年。 熱と仕事の等価性に関する実験(1847年)、熱から電流への変換(1821年)、ファラデーによる電磁誘導の発見(1831年)…「というわけで、1840年代に入ると…

法と社会

【明治期の社会防衛主義―過渡期の理論として】 ・刑法の道具的理解 富井政章『刑法論綱』1880年(信山社、1999年) 要するに刑法は一国社会の秩序安寧を維持するの要具に外ならす社会先つ平穏ならす内より其秩序安寧を害することを得は如何して其独立と進歩を…

「実証」の概念史

・先行研究 positiveという言葉はラテン語の動詞pono(英語ではsetに相当)に由来し、その過去分詞positumが形容詞化されることでpositiveになった。これが「事実的」「実証的」という意味を持つようになったのは、木田元によると弁神論に由来するという。弁神…

「社会」概念の歴史に関するメモ

最終更新2014/10/5 ざっくりした通史 http://togetter.com/li/527959 大正時代の「社会の発見」について以前書いたもの http://d.hatena.ne.jp/tukinoha/20110128/p1 大正時代の分は以下に移行。 http://d.hatena.ne.jp/tukinoha/10000109 【方法について】 …