桐原いづみ『ショコラ』

ショコラ―Maid cafe “curio” (BLADE COMICS)

戯画から発売されている同名ゲームのコミカライズ作品です。
騙されたつもりで『Piaキャロットへようこそ!!３』を購入し、「騙された！」ということになって以来その手のゲームには手を出していないのですが(どう騙されたのかは秘密)、『ショコラ』の原作は面白そうですね。今度やってみます……けど、その前に積みゲーを消化しなければ……。
という話はさておき。
物語は作品のメインヒロインである「真名井美里」を軸にして進められます。もっとも、ストーリィ自体は大したことありません。しかし、エロゲ原作に付き物な「メインヒロイン以外のヒロインの扱い」が非常に上手いと感じました。
メインヒロイン以外のストーリィは独立したエピソードで少し触れるだけ、ですが、短い話の中でヒロインの過去の秘密が少しだけ明かされ、これから物語が動き出すぞ、という予感だけはしっかりと与えてくれます。それにつられて「１巻で終わるのはもったいない！続きを読ませろ！」と思ってしまったら作者の勝ち。この辺に作者のバランス感覚の良さが伺えますね。
桐原いづみ氏の絵は特にツンと澄ました顔と少し頬を赤らめた顔、この２種類の表情の描写に静かな感情が籠もっています。簡単に言えばツンデレを書くのが上手い。『ひとひら』の一之瀬野乃、『白雪ぱにみくす！』の白雪など、どの作品には大体ひとりはツンとした女性が登場しますが、個人的には『ショコラ』のキャラクタに一番マッチしていると思いました。絵が見られるサイトにリンクを貼っておきましょう。(こちら⇒「http://harusuki.net/parufe_shokora_manga_r.html」)