桐原いづみの新境地!?『白雪ぱにみくす!(1)』

【コラム・ネタ・お知らせetc】 桐原いづみ先生の新刊「白雪ぱにみくす!」 表紙&特典 - アキバBlog

白雪ぱにみくす! 1 (BLADE COMICS)

白雪ぱにみくす! 1 (BLADE COMICS)

現代に目覚めた白雪姫はツンデレでした。
霊感少女な妹と喋るフクロウに誘われて、異次元への扉をくぐってしまった主人公。扉の先には眠り続ける白雪姫。キスで目覚めたところまでは良かったのですが、契約によって2人は離れることが出来なくなって……、という話。
異世界に魔法、白雪姫。説明を要する設定も決して少なくないのですが、主人公以外のキャラクタが強引かつ無謀な人間ばかりなので、展開が早いはやい。第1話で白雪姫が目覚め、第2話で親公認の同棲状態へ、第3話で学校生活をざっくり描いて……というようにテンポの良さが魅力ですね。
ただ、いくらなんでも強引だろうという箇所もちらほら。例えば、第5話の最後で何の脈絡もなく登場する風紀委員長。委員長キャラを出したかっただけだろ!まあ、瑣末といえば瑣末なことですが。
それよりは、ほとんどのキャラクタがテンプレートに乗ったままで、そこから逸脱しないことの方がマイナスかもしれません。主人公の妹なんて特に「痛い」設定があるのに、それに対して表向きでも内面でも、全く反応を見せてくれないので痛さが伝わってきませんでした。役割分担がきっちりし過ぎているというか。うーん、この辺は自分が『ひとひら』的なストーリィを期待しているせいかもしれませんが、もう少しメリハリが欲しかった。
もっとも、ヒロインである白雪はめちゃくちゃ可愛らしいですね。主人公を毒リンゴで殺そうとする白雪、魔法を褒められて自慢げな白雪、肌の白さを褒められて真っ赤になる白雪……コロコロ変わる表情を追いかけるだけでも十分に楽しい。予想通りのキャラクタでしたが、予想通り魅力的でした、と書いておきましょう。
ツンデレ分が不足しがちな人と、コテコテのギャグが好きな人にオススメです。