「トップをねらえ!」合体劇場版

「いいかタカヤ。おまえとアマノは、ひとりひとりでは単なる『火』だが、ふたり合わせれば『炎』となる。『炎』となったガンバスターは……無敵だ!」

「痛いことや、苦しいことをありがたがるなんて、馬鹿みたいじゃないか。だけど、それが人間ってことなんだ。強さは体の大きさじゃない、心の強さだ!そうなんだろ、ノノ。
それが、努力と根性だ!」
「はい!」

ほんの2週間前に『トップをねらえ2!』を見て、『1』も3回くらい見たのですが、つい劇場版も通して見てしまいました。やっぱり傑作シリーズだと思います。
「劇場版」ということですが、両方ともオリジナル版から重要シーンを抜粋、つなぎ合わせた作品となっています。そのためオリジナルを既に見た方にはあえてお勧めはしません(傑作だと言っておきながら)。とはいえ、特に「どうしてこのシーンをカットしたんだ!」みたいな部分もなく、ダイジェスト版としては十分な仕上がりではないでしょうか。サブキャラ(1のユングや2のチコ)に愛がある人以外には……。

両方の作品を見比べた上での感想を少し。両作品の構成は非常によく似ています。主人公(ノリコとノノ)の成長物語を4話で切り上げ、5・6話は焦点を少しずらす(カズミとラルク)。パロディにスポコン。それだけに、監督の違いが作品印象の違いに素直に反映されたな、という感じ。パロディをやるにしても『1』と『2』とでは露骨さが全然違います。『2』の方が口当たりが良いのは確かですが、『1』の露骨さもまた面白いわけで。どっちが優れている、という評価はやらない方が無難でしょう。
あと、こちらのインタビュー記事では、『トップをねらえ!』にはオタクへの皮肉が込められているのだ、と語られています。しかし、作者の意図を読み取ることが必ずしも面白さに繋がるわけでもなく、純粋なエンターテイメントとして見ても面白いのではないでしょうか。というか普通わかりませんよ。そんなこと。
その他気になった点がいくつか。『1』も『2』もオリジナルを再編集したものということですが、微妙に書き直されているシーンが見られます。例えば『1』第5話でガンバスターが合体するシーン。オリジナルではポーズをとりながら腕にビリビリ電流が流れているのですが、劇場版ではカットされています(細かいな)。探せば他にも見つかるかもしれません。声については再録したとのことですが、第5話の戦闘シーンでは早口で余裕がないな、という印象を受けました。あのシーンでは、主人公たちはもっと落ち着いて自信ありげだったはず。これは主観ですが……。
とはいえ、エンターテイメントの最高峰として押さえておきたい作品群ではあります。サクッと「トップ」を知りたい方にはオススメです。さらにサクッと知りたい方には、こちらの映像をオススメします。

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