2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

新カント主義の時代

現代社会を「理解」したり「説明」することよりも、「よい社会を提案する」規範理論のほうが、熱く語られるようになってきた。社会が複雑になりすぎて、他でもありうる可能性が増してきたからだ。適応不全でいいから、自分が本当に望んでいる世界を探したい…

『加奈〜いもうと〜』―過去を語ることについて

「今の私にとって、生きるってことは動き回ることじゃなくて、考えること。……これしかないから、藤堂加奈は誇りを持って物事を考えるの。そう……決めたんだ」 田中ロミオ(山田一)のデビュー作。いつか読もうと思っていたところに、DL版の半額セール。即座に購…

福家崇洋『戦間期日本の社会思想―超国家へのフロンティア』

戦間期日本の社会思想―「超国家」へのフロンティア作者: 福家崇洋出版社/メーカー: 人文書院発売日: 2010/03メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 57回この商品を含むブログ (5件) を見る第一次世界大戦の終結〜満州事変ごろまでを対象に、(高畠素之は例外と…

劇中劇について

たいして忙しいわけでもなかったのですが、なぜかブログを放置してました。『リトバス』論の続きが全然思いつかないからでしょう、たぶん。 先週はアニメ版『まほらば』を観返していました。これ、私が京都に住み始めたころに放送していた作品なんですけど、…

アガンベンをどう読むか―生権力・証言・メシア主義―

某所で報告した際のレジュメです。不十分な内容ではありますが、哲学・思想の専門家ではない自分にとって、現時点ではこの辺が限界(といいつつ、補足したい点は既にいくつかあったりする)。

『リトルバスターズ!』試論(1)

自分のなかで考えが完全にまとまってから書こうと思っていたのですが、それを待っているといつまで経っても書けそうにないので、見切り発車ではじめてしまうことにします。以下本文。リトルバスターズ! 初回限定版出版社/メーカー: KEY発売日: 2007/07/27メ…

『Angel Beats!』が物語の転換点を迎え、盛り上がりを見せている今日この頃。その一方、私は反時代的にも『リトルバスターズ!』を読み進めていました。昨日読み終わりましたけど、まあまあ面白かったですね、序盤がかったるかった割には。 そんなわけで『リ…