活動弁士(活弁)について

「女給生活」(『北陸タイムス』1914年4月23日)
活動弁士のキャリアステップと待遇について。富山県の映画館を念頭においた記事。

今茲に弁士にならうと云ふ者があるとすると先づ見習として実際舞台に立ち乍(なが)ら主任弁士其他の訓陶を受けるのであるが、それがどうにか喋べれるやうになるには先づ六ケ月は掛る、乃(そこ)で前説明位が出来るやうになると十円乃至十五円位の月給にあり附く事が出来るのでそれから先きは腕否咽喉次第運次第で当地では三十円か三十五円が最高だけれども東京辺りには百円位取る者が六七人も居る相である
斯うなると締たもの、一館の主任として先生先生と奉られ下級弁士をコキ使ふ事が出来、斯う見にても高等官以上の月給取だよと脂下る素晴らしい勢ひのものである