『Devil May Cry』が意外に面白い(失礼)!

Devil May Cry公式
Devil May Cry/WOWOW ONLINE
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原作の方は紹介不要の超有名ゲームですが、最近始まったアニメ版の方も最高に出来が良いので今日はその話をしましょう。マッドハウス製作、全12話。
物語は便利屋『Devil May Cry』を営むダンテの元に用心棒の依頼が舞い込むところから始まります。目的はパティという少女をローエル家まで無事に送り届けること。ところが道中、パティを狙う悪魔が次々と襲ってきて……。

便利屋に隠された真の顔、悪魔も恐れるデビルハンター・ダンテの活躍を描いた連作ストーリィ。
アクションゲーム原作のアニメというつながりだと、劇場版『ストリートファイターⅡ』(篠原涼子が主題歌を歌ったやつ)がぱっと思い浮かぶところ。その辺の経験上、「アクションゲーム原作のアニメは駄作が多い」と思っていたのですが、『Devil May Cry』に関しては本当に奇跡的な成功例であると感じます。
まず、主人公であるダンテの人物造形が秀逸。食事や睡眠など原作にはない姿を描きながら、ひとつひとつの動作が浮世離れしていて、アクションヒーローとしてのイメージが守られています。ピザとストロベリーパフェしか食べないという偏食ぶり、あとはセリフ。
「俺はこれから美女たちと夢の中でR指定だ」なんて、格好良すぎるぞダンテ!

見所である長剣と2丁拳銃のアクションも「1クールが限界です!」という声が聞こえてきそうなくらい高レベル。銃の衝撃で敵を持ち上げるなど、ゲームと同じアクションをやりながらゲームっぽくないというのが良いですね。

そんなダンテと対比される形で日常を象徴しているのが、アニメオリジナルキャラクタであるパティです。第3話の冒頭で、テレビが故障して昼ドラの最終回が見られないとダンテにぼやくパティ。そして、そのような「日常そのもの」から逃げだすようにデビルハンターとしての仕事に出かけるダンテ。パティというキャラクタを軸として、日常から非日常への切り替えがスムーズに行われていることがわかるでしょう。
キャラクタ以外の部分に目を向けると、まず気になるのは色調が全体的に暗いことですね。この暗さが、悪魔のグロテスクさや鮮血の陰惨さを和らげています。それと音声。ゲームの音声はいつも英語だったので今回のアニメ版が始めての日本語キャスティングですが、その割にはまったく違和感がありません。『DARKER THAN BLACk』では全然喋らない 福圓美里大塚明夫、そしてダンテ役の森川智之など、全員適役。
うん。素晴らしい!不満を感じるところは今のところありません……あ、ひとつだけあった。「D.M.C」という略称は『デトロイト・メタル・シティ』と紛らわしいです!
デトロイト・メタル・シティ (1) (JETS COMICS (246))

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