乙女はお姉さまに恋してる

「お姉さま」と書いて「ボク」と読ませます。一瞬、「地球」と書いて「ほし」と読ませたり、「宇宙」と書いて「そら」と読ませたりする世界に入り込みそうになりましたが、このアニメは女装した主人公が女子高に潜入してあれこれする話です。ちなみに原作はエロゲ。

お話は、亡くなった祖父の遺言で主人公が名門女子高へ転入させられるところから始まります。理由は不明。その後、男であることがバレてひやひやしたりするのですが、まんまとエルダー(全生徒によって選ばれるNO.1お姉さま)に選出されることに。そんなもの選んでどうする、というツッコミはしていただいて結構。
あとは幽霊退治をしたり(してないけど)、幼馴染や生徒会長とロマンスしたり(してないかも)、女子高生の日常を描いたりしています(やっぱりしてない)。
感想ですが、なんというか……そもそもリアリティが全く感じられないので、どこから物語に入り込もうか少し戸惑いますね。いくら好きなように話が作れるといっても、物語の中の女子高が現実の女子高に対して無関係でいられるわけではありません。だからこそ物語を描くのであれば、現実を「取り入れる」か「裏切る」かしなくてはいけない。それにしては、この「おとボク」は無邪気すぎるかな、と思わずにはいられません。製作スタッフも「こんな女子高ねーよ」と舌打ちしながら作っていたのではないでしょうか。
結局のところ、製作者の思惑が透けて見える、というのが一番気になる点。この層を狙ってこんなキャラクターを入れておけ、みたいな意図が見え見えすぎて、逆に引いてしまうところが多かったです。
D.C.S.S.』のときも感じたのですが、名和宗則監督とは相性が悪いのかもしれません。
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