ロリ意外!『セイントオクトーバー』が超面白い(ゴメン、言い過ぎた)

最近、妙に『セイントオクトーバー』が面白くて、ちょい戸惑っています。2クールあるとわかった時は「1クールで十分だろ……」と思った自分が!く、悔しい……!
という冗談はさておき、この作品は2クール目に入って以降、展開の意外性がすごく良い感じになっています。例として帝猟兵というキャラクタと彼を中心とした話を取り上げてみましょう。以下、ネタバレ。


4話から登場する猟兵は当初、主人公にちょっかいをかける意地悪なキャラクタとして描かれていました。この時点で視聴者はベタベタな予測するわけですよ。「ああ、猟兵と主人公は後でくっつくんだな」と。おまけに主人公の親友も猟兵が好きだということが判明。どろどろの三角関係が始まるのか……と思っていたら、猟兵は親友の方とくっついてしまった。
主人公は猟兵のことを何とも思っていないとみせかけて、本当に何とも思っていなかったという、ある意味意外な展開。それが、本当に何でもないことのように描かれるものだから、あのやきもきした時間は何だったんだろう、という感じがします。
ゴスロリ少女探偵団」という設定、思わせぶりな演出、視聴者はそれらの要素から意味を抽出しようとするのですが、結局何の意味もなかったり、想像の斜め上を行ったりしているのが実に楽しい。wikipediaに書いてありましたが

アニメの内容的にも少女趣味のロリータではなくロリータ・コンプレックスのロリータを指している節がある。

というのも意外な指摘でした。ゴスロリ言ってたじゃん!みたいな。
視聴者と製作者との間に生まれるズレ、それが良くも悪くもこの作品を印象深いものにしています。
(参考:http://stack-style.org/2007-03-05-05.html)
意味のあるシーンを並べて効率的に物語を進行させる「よくできた」作品(例えば『sola』のような)とは、ある意味対極的な作品であると言えるでしょう。『セイントオクトーバー』は視聴者を物語の中に引き込んだり、キャラクタへの感情移入を促したりするような作品ではありません。その代わり、いかに自分が「暗黙の理屈」に囚われているかを浮かび上がらせ、ある種の自嘲的な「笑い」を引き起こします。
極上生徒会』もそうでしたが、あえてベタベタなキャラクタ造形にしておきながら、それをメタ的な視点から眺めてることで起こる「笑い」、それが『セイントオクトーバー』の魅力であると僕は考えます。
それにしても、製作者は天然なのか、それとも全て計算済みなのか、ちょっとだけ気になりますね(どうでも良いとは思うけど)。語尾が「〜でち」なんてキャラクタを登場させる辺り、計算済みなんだろうなぁ。たぶん。そうじゃなかったら嫌だなぁ。