「人間の温かさ」って何だろう?

今週末、僕は夜行バスに乗って実家に帰ります。法事があるので。
ところでバスのチケットをインターネットで予約したのですが、昔のようにわざわざ窓口まで行かなくても、電話をかけて知らない人と話さなくてもいいから楽だなぁ、とあらためてネット社会の便利さを実感しました。
と思ったら森博嗣先生がこんなことを書いていました。
http://blog.mf-davinci.com/mori_log/archives/2006/11/post_814.php

機械が増えると、人間の温かさが消えてしまう、とたいていマスコミなどは言いたがるものだが、機械の方がずっと人の温かみを感じさせる場合もある。便利な機械を導入する、そのサービス精神こそが温かい。

森先生はたとえ話を必要としない人だ、と感じました。
「人間の温かさ」には「人間の体温」と、抽象概念としての「優しさ」みたいなものという2つの意味があります。この場合前者が問題ではないのは自明ですが、ことはそう簡単ではありません。
抽象的なものを、抽象的なままに受け入れることの出来る人は決して多くありません。抽象概念としての「人間の温かさ」を誰かに説明しようとしても、言葉だけでは中々説明できない。だからそっと手に手をとって「こんな感じ」と優しげな目を向けてあげるほうがわかりやすい(くさいシチュエーションだな)。
と、まあどうしても抽象概念の中に具体例が紛れ込んできます。でも、それはあくまでも抽象化しきれていない間違った概念であるわけで、森先生はそこを指摘したのでしょう。たぶん。