アニメ『最終試験くじら』が示した可能性

最終試験くじら DVD 上巻

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ふと思いついたこと。
去年僕たちの前に現れたアニメとして、『最終試験くじら』という、テレビ放送なし、ウェブ配信のみの作品がありました。内容がちょっとアレだったこと、それと配信時間が異常に短かったため、結局大した話題にもならなかったのですが、振り返ってみるとアニメの製作方法を大きく変える可能性があったんじゃないかな、と思うわけです。
現在のアニメは劇場版を除いてほぼ全て1話30分ですよね。OP・ED・CMを入れて。でも、ウェブ配信だけならある程度自由に決めることが出来る。そうすると、作画が面倒な回、例えば海が登場する回(いわゆる水着回)は短めに、その分は楽な回に回す、ということも出来るのかもしれません。
それ以上のメリットとして、声優さんの演技に合わせた作画が可能になる、という点が挙げられます。普通は後から調整するのが難しい作画を先にをやって、それから映像の口ぱくに合わせて声を収録します(アフレコ。英語ではポスト・レコーディング)。でも、時間に制限がなければ声優さんの自由な演技を先に録音して、その演技に合わせて口の動きを作画することが可能になる(プレスコ)。すると、ドラマCD並みの声の演技を普通のアニメで楽しむことが可能になる。これって結構魅力的な話だと思うのですが、どうでしょうか。


ただ、後に一般的になる技法というのは、初めて登場した時点である程度確立されている、というのがセオリーなんですよね。逆もまた真。なので当分の間、上述した話は一般的にはならないでしょう。