「亭主は半陰陽 同性の婚姻は無効」(『新愛知』1914年3月18日)
半陰陽は両性具有、インターセックスとも呼ばれる。詳細はwikipediaを参照。
半陰陽 - Wikipedia
三重県の財産家・某氏は結婚しており息子もいたのだが、某氏が男女両性であると噂されていた。この年(1914年)の某氏の死後、親族は遺体を解剖し、某氏が「表面上一見男子の生殖器を備へ」ており当人も男性としての性自認を持っていたが「二の乳房及び骨盤、生殖器の組織は全く女性」であり、某氏の息子も妻の姦通による私生児であると主張。裁判所に「同性間には婚姻成立すべきものにあらず」、某氏と妻の婚姻は錯誤に基づく契約であり無効であると訴えた。
財産相続上の争いが主たる原因であると考えられるが、某氏自身の性自認がまったく無視されていること、裁判所もまた親族の訴えを認めていることなどが注目される。