『カミカゼ☆エクスプローラー!』に関する雑感

何で買ったのかと聞かれそうですが、タイトルが好みだったからです。
現在は祐天寺美汐シナリオを読了したところ。続きはやらない可能性が大。

カミカゼ☆エクスプローラー! 初回限定版

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学園もので、探偵部というか冒険部みたいな組織をつくって平凡な活動しているうちに、いつのまにか大きな事件に巻き込まれて……という王道展開は嫌いではないのですが(『Rewrite』とか)、本作は「主人公かっけー」以外の感想が浮かんでこなかったです。その主人公にしても、思考の過程を省いて結論だけ書くから賢そうに見えるだけで(お手軽天才描写)、ヒロインが「すごーい」と連呼するほど凄いとは思えないですけど。
別に主人公が凄いやつでも凡庸なやつでもいいし、個別ルートで選ばれなかったヒロインが妙に物わかりがいいのも仕方ないとして、個別ルートで戦う敵との間に、もう少し深みのある対立構図を作れなかったのでしょうか。たとえば美汐シナリオは、彼女自身の意思で集めた仲間たちが、当初の目的に基づいて行動しているうちに敵を見つけだし、その敵をやっつけてハッピーエンド、という流れ。話が一貫しているといえばその通りなんですけど、敵を見つけた段階で自分たちの目的を考え直したり、敵と自分たちとの違いについて考えたりといった描写がないので、ちょっと一本調子すぎるという印象を受けました。最初に仲間を集めたときに想定したのよりも話が大きくなった時点で、何か葛藤を覚えたりしてもよさそうなものですけど。
さらに言えば、全般的に意外性が足りないな、と。設定とストーリーが綺麗に対応していて「この設定はこの描写(あるいはセリフ)のためにあるのか」ということがよくわかる。よくわかるだけにつまらない、というのが私の評価。物語の根幹である超能力「メティス」についての設定も、一応意味深なことを言ってるのですが(メティスはどこからやってくるのか云々)、なんだかよくわからないまま終わってしまうという。話を転がすためのギミック以上のものにはなっていないように感じました。
環境変動とメティスの関係は?結局悪役が言うようにメティス能力者は人間の「進化」形態なの?この世界はこれからどうなっちゃうの?とか、話はいくらでも広げようがあると思うのですが、製作者がそれよりもヒロインとイチャイチャすることが重要だと考えたのなら仕方ないですね。私もヒロインとイチャイチャする話は大好きですが、いまだ『パルフェ』の花鳥玲愛シナリオを越えるものには出会えていません。何が違うのだろう。


最近はタイトル買いで外しまくっているので、今度は世評が高いものを買うことにしようかなぁ。