今期のアニメに関する雑感

まだ今期のアニメについてほとんど記事にしていないので、最初にざっと書いてみようと思います。
今期の私的最重要作品は『しゅごキャラ!』。1年前からずーっと放送していますが……。ポスト『カードキャプターさくら』的な位置づけ。ヒロインの性格なんかは全く似ていないのですが、似ていないからこそ「ポスト」に相応しいわけです。原作はまだ完結していないようなので、それこそ『さくら』のように休みを挟んで、原作が完結したら改めて続きを作るんじゃないかな、と。これは単なる願望か。
次は『ひだまりスケッチ×365』。日常系アニメに分類されるのでしょうが、方法論は『あずまんが大王』や『らき☆すた』といった作品とは大きく異なります。そもそも「日常」というのは個別的な出来事を抽象化し「物語る」ことによって生み出されるフィクションであり、『スケッチブック』や『らき☆すた』というのはその「物語る」行為を過剰にすることで逆説的に日常を異化しようとする作品であったと僕は考えています(だからこそ、特に『らき☆すた』において主人公たちの「語り」は様々な演出技法を用いて異化されている。状況解説、舞台進行としての「語り」とは徹底的に区別されなければならなかった)。それに対し、『ひだまりスケッチ×365』はどのような方法論によって「日常」を描いているのか。ひとつは過剰なまでに表現される「時間」であり、もうひとつは……何だっけ。思い出したら記事にします(適当)。
3番目は『魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜』。思わず「前作は良かったなぁ」なんてオヤジみたいなことを言ってしまいそうになりますが、あの背景は重要な実験だと思います。『アニメーションノート』あたりが取材して記事にしてくれないかな、と他力本願。この作品はロードムービーだと主張する方もいますが、この作品の持つ強いテーマ性は、例えば『イージー・ライダー』のような目的がないのが目的という作品とは全く相容れないものあるわけで、背景を楽しみとするには繊細さに欠ける、と思います。
あとは思いつくままに気になった点を。
ストライクウィッチーズ』を毎週見ていると知り合いに言ったら「えー」という反応が返ってきました。確かにアレがアレでアレすぎるアニメであることは確かですが、制作はGONZOなのに、監督の影響なのか動きや構図がガイナックスっぽい様式性があって、その辺が割と興味深かったりします。2話で主人公が初出撃するシーンは特に。俯瞰やアオリを多用した動かし辛い構図と、それに由来する「自然なようで自然じゃない」動きは伝統的なアニメーション技法におけるひとつの帰結と言えるのかもしれません。それと、3話になっても野川さくらに台詞が無いのはなんでだぜ。
乃木坂春香の秘密』は超苦手な名和宗則監督なので全く期待していなかったのですが、OPの最初の15秒は非常に面白かったです。ディスプレイや雑誌の表紙といった「画面内画面」を描く際はその他の物と微妙にタッチを変えるのが常套手段ですが、それをせずに(していたら、途中のボカシは必要なかったように思う)、まさに今そこでヒロインが「作画(むしろ撮影の担当か)」されているという印象を与えています。
『鉄腕バーディDECODE』は非常に赤根監督らしく、『ノエイン』が好きなら見ない理由は無いというレベル。何かしら新しいことをやるのだろうと思うのですが、今のところはよくわかりません。その他『Mission-E』や『夏目友人帳』なんかも面白いと思うのですが、特に話すことがなかったり。
我が家のお稲荷さま。』は先週の次回予告を完全に無視という荒業をやってのけ、大変感服した次第であります。


最後にいつもの業務(?)連絡。もうひとつのブログを更新しました。今回のテーマは「天皇機関説と国民道徳」です。相変わらず意味不明なタイトル。他人に読ませる気があるのでしょうか?「無くはない」(ツンデレ風)
http://d.hatena.ne.jp/tukinoha2/20080721/p1
こちらのブログはもう少しで100万PVに届きそうです。何か記念企画的なことをやろうかな、と思っているのですが、特に具体的なアイディアがあるわけではなく……。とりあえず、電気会社と、空気と、水と、ノートパソコンに対する謝辞だけは忘れないでおこうと思います。これらのもの無しには、とてもブログを更新することは出来ませんでした。