『最終試験くじら』−毎週土曜はくじらの日

超!アニメロ 最終試験くじら
CIRCUS HOMEPAGE 最終試験くじら
最終試験くじら - Wikipedia

くじらが空を飛んでいる不思議な街を舞台に繰り広げられるCIRCUSの不条理アドヴェンチャーを原作に、同メーカの『D.C.〜ダ・カーポ〜』と同じく宮崎なぎさ監督でアニメ化された、非常に変わった作品です。
動きが少ない、尺が短い(1話5分)、1話につき土曜日の深夜30分だけネット配信という形態を取っているため見ること自体が難しいという3重苦。この配信形態は視聴者にとってはあまりメリットがないですね。決まった時間に見なければいけないということならテレビ放送と変わりないし、むしろ、録画予約し辛い分だけ不便になっているような……。
以前、minoriが『ef - the first tale.』のデモムービーをYoutubeにuploadして「引用する場合はこれを使ってください」とやっていましたが、ネット配信するならこれくらいやってほしいものです。ところで『ef』の続編は(以下略)。
宮崎なぎさ監督については先述したアニメ版『D.C.〜ダ・カーポ〜』を通して注目するようになったのですが、ひとつのシーンについて時間をかけて描くことに特徴があります。『くじら』に至っては、何と1話でワンシーンしか描かない。いつも、何かしら予想外のことをやってくれる監督さんですよね……。という冗談はともかく、適役であると思います。
第2話までの範囲では
・ほぼ静止した状態のまま視点を頻繁に切り替えるモンタージュの多用されていること。
・自然音を強調して逆に静けさを印象付ける手法が用いられていること。
・オブジェ(くじら、路面の模様など)が背景のアクセントとして効果的に用いられていること。
以上の辺りが気になりました。どれも『D.C.〜ダ・カーポ〜』から一貫して宮崎なぎさ監督作品に見られる要素ですね。あと春香かわいいよ春香。

シナリオ構成では
・「なぜそこにいるのか」が省略されていること(起承転結の起を飛ばした感じ)。
・次の話への「引き」がないこと。
などが特徴的。そのため「1話完結」という印象が非常に強いです。
現時点ではキャラクタ紹介に徹していますが、連続性のある物語を紡いでいく際にどのような手法をとるのか、今後の展開に注目したいと思います。
ああ、でも『ディアノイア』がないのはすごく残念。EDは確かに良い曲なんですけどね……。