『電撃文庫ムービーフェスティバル』を観てきたよ

久々に映画館で映画を観ました。実を言えば直前まで『ハンニバル・ライジング』を観るつもりだったのですが、レクター博士のイメージを(悪い方に)壊されそうでやめておきました。
で、代わりに見たのが『電撃文庫ムービーフェスティバル』。座席の両サイドを「大きなお友達」に囲まれて、非常に心強かったです。そんなわけねぇ。
さてさて、この映画は『灼眼のシャナ』『キノの旅』『いぬかみっ!』と電撃文庫ラノベ原作アニメ3本立て、約2時間の作品です。内訳は『シャナ』が1時間、あとの2つが30分ずつ。ボリューム的には妥当かなという感じでした。では、内容のレビューに移りましょう。


最初に、デフォルメ化された3作品の主要キャラが映画館で遭遇する、という内容のショートストーリィから始まるのですが、これが意外なくらい違和感がない。まあ、みんな非常識だからね……と勝手に納得したところで本編が始まります。
まず『シャナ』ですが、前半はほとんどテレビ版の総集編です。平井さんの話とか、シャナがメロンパンを食べるところとか、「うるさいうるさいうるさい!」とか、押さえるべきところはしっかり押さえているなと感じました。そして後半からオリジナルストーリィ……というわけではなく、アニメ版とは違った形で「狩人」フリアグネとの戦いまでが描かれます。原作の再現度が上がっているみたいですね。
後半はもう、爆発、爆発、爆発。いやぁ、映画館で観て良かったなぁと感じました。カメラワークにはそれほど意外性はないのですが、とにかく華やかさで魅せてくれますね。そしてヘナチョコだった主人公の活躍……。前半のほろりと泣かせる展開と合わせて、エンターテイメントのお手本みたいな作品でした。アニメ版を見た人、原作を読んだ人、全然知らない人関係なくオススメです。
ただ、最後に来る『いぬかみっ!』がアレすぎるので、万人にはオススメ出来るかは微妙なところ。あの作品はテレビ版の時から「ほっちゃん、仕事を選ぼうよ」と言いたくなるほど酷かったのですが、劇場版になってさらに酷くなりましたね(褒めてます)。『涼宮ハルヒ』のコスプレをしたマッチョなんかが出てきて、おいおい大丈夫かよ、と心配になりました。同じ角川グループだから良いのかな?
『シャナ』と『いぬかみっ!』の両者に挟まれた『キノの旅』は、どちらにも寄らない端正な作品です。ただ、展開が読みやすいですね。確かに一般的には「意外な展開」に分類されるストーリィなのでしょうが、『キノ』のことだから何かあるだろう、と疑いながら観るとだいたい読めてしまう。別に展開が読めたって『キノ』の魅力が下がるわけではないですけどね。
綺麗なものの足元に広がる、汚いもの。王道といえば王道なストーリィなのですが、それがいかにも柔らかそうな世界観で肉付けされているのが面白い。でも、中の骨は固いですよ。
個人的には髪のグラデーション処理が気になって気になって……。天井からの光があたっていることを表すために、頭頂部あたりが白っぽくなってるんですね。それがあまりに白いものだから、ロングショットで映されると禿げてるみたいに見え……あれ?誰か来たみたいだ。

灼眼のシャナ I [DVD]

灼眼のシャナ I [DVD]

キノの旅 -the Beautiful world- I [DVD]

キノの旅 -the Beautiful world- I [DVD]

いぬかみっ! VOL.1っ!! 特別装丁版 [DVD]

いぬかみっ! VOL.1っ!! 特別装丁版 [DVD]