『アイドルマスター XENOGLOSSIA』−サンライズの野心作

「本当に良いんですか?」
「弥生ちゃんに心配かけたくないし、あそこに基地があること知ってると色々大変だって言うし」
「そうじゃなくて、春香さんは本当にアイドルマスターに?」
「うーん、よくわからないけど」
「けど?」
「まあいいかって」

原作のことはほとんど知りません。それに関してはラッキィだったな、と思っています。確かに原作を知っていればがあれば作品世界への理解も早くなり、落ち着いて作品を見ることが出来ますが、知らなければ迷いながら作品を見ることになります。けれど、実は迷っている間が一番楽しい。視野が広く先入観に囚われていないから迷うのであり、そういった時間にこそ最も多くのことを考え、また自由に作品へと向き合うことが出来るのです。
閑話休題。『アイドルマスター XENOGLOSSIA』の話をしましょう。
物語の舞台となるのは架空の地球。その地球では降り注ぐ隕石から人類を守るため、隕石除去人型重機、通称iDOLが活躍していました。そのiDOLに乗れるのは選ばれた「アイドルマスター」だけ。学園生活、襲い掛かる未知の敵、iDOL……多様な要素をぎゅっと詰め込んだ、サンライズの意欲作です。
まだ物語の序盤だからでしょうが、印象としては非常にあっけらかんとしていますね。引用文のように深刻な部分は「まあいいか」で通してしまう。『舞ーHiME』の前例だと、これが後々酷いことになって「だまされた!」と叫ぶことになるわけですが……おっとこれは蛇足でした。
ずーっと同じ服を着ていたり、実際のところ突っ込みどころはたくさんあります。そのような「しょうもない」部分を面白がることが出来るかによって、この作品の評価は大きく分かれるのではないでしょうか。
絵柄は良くも悪くもサンライズらしく、声優も堀江由衣が大人しい少女を演じていたりして、なんとも無難な感じ。後半の盛り上がりに期待したいところです。
最後にOP曲を紹介。橋本みゆき微熱S.O.S!!