「自明のこと」として語られる文化

「文化」の「化」から「小説読め。歌舞伎見ろ。クラシック聞け。そうしないやつは非国民だ」みたいなニュアンス(つまり啓蒙思想)を感じ取ってしまうので、「文化」って言葉がわりと苦手です。
文化において主流だとみなされているもの(小説とか演劇みたいな)は、倫理道徳を自明のことのように語ってきますが、本当に自明であるならば語る必要もないわけで。つまり、文化というやつには「自明ではないものを自明だと思わせる」権力装置としての役割があるんじゃないかな、と。
そこで僕がサブカルチャーに対して期待しているのはまさにその反対、権力への反抗装置であり、自明のようには語らないからこそ現代を正確に映し出してくれる鏡としてのサブカルチャーなのですよ。
とはいえ、権力主体や商業資本の下にあるという点では文化もサブカルも違いはないわけで、どこに権力への反抗装置を見出すかはたいした問題ではないという結論に落ち着くわけです。