トップをねらえ2!

「痛いことや、苦しいことをありがたがるなんて、馬鹿みたいじゃないか。だけど、それが人間ってことなんだ。強さは体の大きさじゃない、心の強さだ!そうなんだろ、ノノ。
それが、努力と根性だ!」
「はい!」

あまりにも前作が有名であること、さらに「ガイナックス20周年記念作品」と銘打たれたこの作品が超えるべきハードルは高すぎるくらいでした。
しかし、結論から言えば、この作品はハードルを飛び越えました。前作が提示したテーマを受け止め、正面から飛び越えたのです。やっぱりガイナックスは凄い。

トップをねらえ2! (5) [DVD]

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主人公は、宇宙怪獣から太陽系を守る「トップレス」に憧れて街へ出てきた少女、ノノ。彼女はトップレスのエース、ラルクと出会い、「お姉さま」と慕うようになります。やがてはチームの一員として認められるのですが、今度はノノに隠された秘密から、2人の間にすれ違いが起って……という話。ネタバレ要素が多くて紹介しづらいですね。
さて、前作がさまざまな(ニセ)科学理論を背景として見せながらも、ストーリーの骨格自体はこの上なくシンプルなものでした。それにくらべると2の方はやや複雑になったという感じは受けますし、「設定がわかりづらい」という評価も散見されます。
ただ、細かい設定を装飾に過ぎないと割り切ってしまえば、2のストーリーは直球の王道、少年少女たちの挫折と成長の物語です。それを綺麗なもので飾り付けて、華やかにした感じ。けれど芯の部分は格好悪いくらいに真っ直ぐなまま。
ああ、「トップをねらえ!」だなぁ、と。
ただ、第1話を見た時点ではそうでもありませんでした。監督が『FLCL』の鶴巻和哉氏なのですが、最初から『FLCL』のノリで、努力や根性といった「トップらしさ」はむしろ装飾だと感じたくらいです。いつのまにか両者は逆転して、1と2は漸近、最終話で綺麗に繋がることに。個人的には『FLCL』の現代性を高く評価しているので少し残念でしたが。
とはいえ「トップ」の続編に相応しい名作であることは間違いないと思います。最近ロボット分が足りない人、センスの良い演出を楽しみたい人にはオススメです。
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