訃報 白川静先生

http://www.asahi.com/obituaries/update/1101/001.html
白川静は遅咲きだった。しかし、現在では白川静を抜きにして漢字文化を語ることは出来ない。このことによって、僕は学問の深遠さと「本物の学者」というやつの存在を初めて認識することができた。
若き日の白川先生は一生読書をして暮らす決意をしたそうだ。漢字の担い手を想定し、法律と芸能、社会と体とを有機的にリンクさせた広大な視野はここから来ている。それにくらべたら、細分化の名の下に専門分野の数少ない書物に満足している自分の浅はかさといったら。
立命館大学白川静展へ行ったのが去年の11月。あの時手に入れた漢字入りクリアファイルは大切に持っている(読めないけど)。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。