塩の街

美味しんぼ」の最新刊を読みましたが、徐々に着陸態勢に移行しつつありますね。この分だと、100巻で完結かな?
それにしても、海原雄山が、最近ではすっかり単なる頑固なお爺さんになってしまい非常に残念です。ああ〜初期型雄山が好きだったのに〜。
……間違えました。こんなの読みました、という話です。

塩の街―wish on my precious (電撃文庫)

塩の街―wish on my precious (電撃文庫)

どうも、ライトノベルに対して偏見というか、あまり良くない印象を抱いている私です。過去に読んだ中で面白かったのは「イリヤの空、UFOの夏」くらい。容赦のない描写が心にグサッと来る秀作でした。
今回取り上げる「塩の街」も、「イリヤ」と同じく極限状態での恋愛を描いた作品です。何が良かったって、人間の描き方が自然です。
戦争や大災害が起こって、明日には世界が滅亡するかもしれなくて、じゃあ世界でも救いに行こうか。そんな発想って凄く不自然じゃないですか?いや、考えないとは言いませんけど、それと同じくらいに「今日の夕飯は何にしよう」くらいの雑念は混じって当然でしょう。人間は、それほど純粋ではない、はず。
昔の小説に出てくる登場人物の多くは、「これをやるぞ!」と決めたらそれに向かって一直線。でも、それって戦時中みたいで何か嫌だ。誰だって楽をしたい、自分が一番可愛い。
一昔前には「イリヤ」や「エヴァ」のような作品を「セカイ系」なんて読んでいましたが、現代では、それって単なるリアリティ。