『コードギアス』最終回についての雑感

ナナリーの着ていた囚人服が妙にエロかったのですが、あれは一体誰の趣味だ。ルルーシュか?何という鬼畜兄貴。バンダイチャンネル見ながら「アトリエかぐや辺りでエロゲ化したら10万本は堅いな」と思いました。
という冗談はさておき、『コードギアス』の最終回でカレンとスザクが戦っているところを見ていたら、「掟の門前」というカフカの短編を思い出しました。何となくですが。
http://www.alz.jp/221b/aozora/vor_dem_gesetz.html
「掟」は「世界の理」でも「王の力」でも好きなように読み替えてよいとして、まず、掟の存在は貴族階級に委ねられた秘密であり、民衆にとってそれは伝承の域を出ない。掟は起源を持たないが故に機能する(ルルーシュ)。掟はその存在を推測することは出来るが、参加することは出来ない「酸っぱい葡萄」である(カレン)。また、それが出来ないのは掟の門番に拒絶されているためではなく、「今はまだ」我々が掟を持つに値するだけの実力がないからである(スザク)。ゆえに、我々は掟と共に掟を独占している貴族がやがて消滅することを願っているが、それは貴族を憎んでいるためではない(シュナイゼル)。

「厳密に言うと、このこみ入った事情は、一種の逆説によってしか表現できない。「掟に対する信仰とともに貴族をもみとめないような政党があれば、たちまち全民衆の支持が得られるであろう。しかし、誰も貴族を否認する勇気がないから、そのような政党ができることはありえない」と。」
  フランツ・カフカ「掟の問題」

あと、古代から日本人の政治倫理は「清明心」のひとことで表されるといいますが、確かにそうかもしれません。「ルルーシュは最初から死ぬつもりだった」ということがわかったところで、彼のやったことは何ひとつ変わらない。でも許されてしまう。目的とその動機が純粋であれば、手段は問われないわけです。「テロ屋の論理」というやつ。

コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume01 [DVD]

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ルルーシュは死んだ」「いや、実は生きている」という議論がやかましいようですが、生死不明の曖昧な状態で終わらそうという制作側の意図は一見して明らかなのですから、論じるべきは「なぜルルーシュは死ぬことも生きることも出来なかったのか」じゃないの?