「D.C.〜ダ・カーポ〜」オタが非オタの彼女に軽く曲芸世界を紹介するための10本

まあ、どのくらいの数のオタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、
ダ・カーポオタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、
 その上で全く知らない曲芸商法の世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」
ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、ダ・カーポのことを紹介するために
見せるべき10本を選んでみたいのだけれど。
(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女を曲芸商法に巻き込むのではなく
 相互のコミュニケーションの入口として)
あくまで「入口」なので、時間的に過大な負担を伴う攻略対象13人、14人のゲームは避けたい。
できれば5人、長くても6人くらいにとどめたい。
あと、いくら曲芸的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。
ダ・カーポ好きが『アルキメデスのわすれもの』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。
そういう感じ。
彼女の設定は

ダ・カーポ知識はいわゆる「曲芸商法」的なものを除けば、雑誌の方しか知らない
サブカル度も低いが、頭はけっこう良い

という条件で。
まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。

D.C.〜ダ・カーポ〜』(CIRCUS)

まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「ダ・カーポ以前」を濃縮しきっていて、「ダ・カーポ以後」を決定づけたという点では
外せないんだよなあ。これだけ読めば十分だし。
ただ、ここでオタトーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。
このバリエーション過多なシリーズについて、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に
伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。

D.C.〜ダ・カーポ〜』(角川書店たにはらなつき作画)、『D.C.S.G. 〜ダ・カーポ セカンドグラデュエーション〜』(角川書店:Cherish作画)

アレって典型的な「原作信者が考える一般人に受け入れられそうなメディアミックス(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのもの
という意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには
一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
「原作信者としてはこの二つは“漫画”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。

D.C.ダ・カーポ〜 the Origin』(CIRCUS)

ある種のダ・カーポオタが持ってる第1作に対する憧憬と、コンシューマで鳥居花音を起用する考証へのこだわりを
彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにもな
「童貞的なださカッコよさ」を体現する杉並
「童貞的に好みな女」を体現する白河ことり
の二人をはじめとして、オタ好きのするキャラを世界にちりばめているのが、紹介してみたい理由。

D.C.W.S.〜ダ・カーポ ホワイトシーズン〜』(CIRCUS)

たぶんこれを見た彼女は「どのシナリオも同じ話だよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
この系譜の作品がその後延々と続いていること、これが信者の間では大人気になったこと、
曲芸ならコンシューマ移植されて、それがPCに逆輸入されてもおかしくはなさそうだけど、
実際その通りになったこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。

D.C.S.V.〜ダ・カーポ サマーバケーション〜』(CIRCUS)

「やっぱりファンディスクは最初の1作だけで十分だよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「D.C.F.S.ダ・カーポ〜フォーシーズンズ」
でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この作品にかけるtororo団長の思いが好きだから。
断腸の思いで削りに削ってそれでも5種類のおまけゲームが付いてる、っていう尺が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、
その「捨てる」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。
おまけ要素を俺自身は余分とは思わないし、なければ買わなかったとは思うけれど、一方でこれが
アージュや型月だったらきっちりシナリオだけ買わせるファンディスクにしてしまうだろうとも思う。
なのに、各所に頭下げて迷惑かけてシューティングゲームを作ってしまう、というあたり、どうしても
「エロゲのでかいパッケージが捨てられないオタク」としては、たとえ団長がそういうキャラでなかったとしても、
親近感を禁じ得ない。シナリオ自体の低評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。

D.C.〜ダ・カーポ〜』(ZEXCS宮崎なぎさ監督)

今の若年層で見たことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
最終試験くじら』よりも前の段階で、宮崎の哲学とかアニメ技法とかはこの作品で頂点に達していたとも言えて、
こういうクオリティの作品がテレビアニメでこの時代にかかっていたんだよ、というのは、
別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくアニメ好きとしては不思議に誇らしいし、
いわゆるネット配信アニメでしか宮崎を知らない彼女には見せてあげたいなと思う。

D.C.P.K. 〜ダ・カーポーカー〜』(CIRCUS)

tororo団長の「商品展開」あるいは「キャラクタのテンプレ化」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。
「とりあえずコスプレさせて半分脱がそう」的な感覚がオタには共通してあるのかなということを感じていて、
だからこそアニメ版『らき☆すた』最終話はチアダンス以外ではあり得なかったとも思う。
「祝祭化した日常を生きる」というオタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの気分」の
源は脱衣麻雀にあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、
単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。

D.C.S.S.ダ・カーポ セカンドシーズン〜』(feel:名和宗則監督)

これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
エロゲ主人公の鈍感さをこういう形でアニメ化して、それが非オタに受け入れられるか
気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。

らき☆すた』(京都アニメーション山本寛監督)

9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的に「らき☆すた」を選んだ。
ダ・カーポ」から始まって「らき☆すた」で終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、ダ・カーポをパロディにした作品でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。
というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら
教えてください。


「駄目だこの信者は。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。
こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。


※元ネタ:アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本


今さらなネタですが、ダ・カーポだけで簡単に全部埋められることに気づいたら止められませんでした。あと、7本目の宮崎なぎさ監督の話は作品名以外まったく改変していません。あれで大体あってるんじゃないかな。