アニメ版『ドージンワーク』とは昔の『天才てれびくん』である説

ドージンワーク』は凄いですね!
Aパートは背景が異常にシンプルだったり、モブが動いたり動かなかったり、登場人物がいつも同じ服を着ていたり、指が6本になっていたりと作画の不安定さが目立ちますが、それに対してBパートは実写にしか見えないくらいの超作画。本当にアニメか!?色々な意味でアニメの限界を突破した作品だと思います。
……という冗談はさておき、『ドージンワーク』という作品はAパートがアニメ、Bパートは実写でアニメの中の人(声優)がお喋りするという、ある意味とんでもない構成になっています。
もっとも、2部構成そのものは決して珍しくありません。例えば2004年、『W〜ウィッシュ〜』『φなる・あぷろーち』を15分ずつ放送したプリンセスアワー。もうちょっと最近のだと『あかほり外道アワーらぶげ』なんてのもありましたね。こちらは世界観を共有しているという点でより『ドージンワーク』に近いと言えるでしょう。
しかし、それらの作品よりも先に登場したにも関わらず、逆に『ドージンワーク』を追い越していった先進的な作品が存在します。それが
天才てれびくん
です。
といってもTIMが司会(?)をしている最近のやつではなくて、ダチョウ倶楽部が司会の、

「時は、21世紀。人間とリモコンの言いなりになっていたテレビが、ついに反乱を起こした。ブラウン管がかんかんに怒り、カラーバー光線が人々を襲う。そんなメディアの戦場に、今9人のてれび戦士が立ち向かおうとしていた!」

という冒頭のナレーションが印象的なアレです。『すごいよマサルさん』の校長が好きなアレ、でも同じ。その中に『恐竜惑星』『ジーンダイバー』『救命戦士ナノセイバー』、まとめて「バーチャル3部作」と呼ばれる、アニメと実写が融合した作中劇が存在していたことを覚えているでしょうか?wikipediaに詳しいのでリンクを貼っておきます。
バーチャル3部作 - Wikipedia
そこで考えてみたのですが、『ドージンワーク』におけるBパートの声優と、「バーチャル3部作」におけるてれび戦士のあり方というのは極めて似ているのではないかと。
バーチャル3部作」の構造はどれも大体同じで、実写とCGで構成される現実世界のパート、アニメで構成される仮想世界のパートの2部構成となっています。この両者が互いに干渉しながら物語が進められていく、という趣向。
ただ、この両者が対等の立場かといえばそうでもなくて、そもそもバーチャル3部作における「現実世界のパート」というのは「天才てれびくん」というより大きな物語と一体のものでもあるため、「仮想世界のパート」よりも上位の存在であると言えるでしょう。
ドージンワーク』Bパートに登場する声優が『ドージンワーク』を離れても存在出来るように、てれび戦士もやはり「バーチャル3部作」を離れても存在することが出来る。逆は成り立たない。僕たちはそういった力関係を敏感に受け止めているからこそ、「中の人」がやりたい放題やっても平気でいられるのではないかな、と。
このように実写・アニメの力関係を見る上で『天才てれびくん』は極めて示唆に富んだ作品であると思われます。昔てれび戦士だった大きな少年たちは「昔の『天才てれびくん』は凄かったんだ!」と、現代の少年たちに自慢して、大いにうざがられましょう。
(以上の内容はすべてフィクションです。『ドージンワーク』について真面目に書こうという気になれなかったので、ついネタに走ってしまいました)