「受胎告知」から見る絵画史

芸術新潮 2007年 06月号 [雑誌]

芸術新潮 2007年 06月号 [雑誌]

芸術新潮の今月号が手に入ったので、先程までぐいぐい読んでいました。特集は「レオナルド・ダ・ヴィンチ《受胎告知》を読み解く」。来月の17日まで東京国立博物館で「レオナルド・ダ・ヴィンチ −天才の実像」という特別展をやっているのですが、そのタイアップ企画ですね。
ダ・ヴィンチの絵解きについては以前の「ダ・ヴィンチ・コード」特集でやっているためか、今回の特集では遠近法などルネサンス期絵画の技法的な面、それと「受胎告知」に関するキリスト教思想の流れに重点を置いているようでした。「ダ・ヴィンチはすごい!」で終わらない辺りが実に芸術新潮らしいと思います。広く浅く、という印象も若干受けましたが。
ダ・ヴィンチを中心とした多数の画家を「受胎告知」という同じモチーフから比較することで、逆に画家の個性・時代の特色を色濃く浮かび上がらせる良企画。宗教史の問題としても面白いので、そちらに興味のある人も必読です。