『瀬戸の花嫁』−(たぶん)今期最高の正調コメディ

金魚すくいは……「金魚を救う」と書いて金魚救いじゃきん、金魚の一匹も救えんとあっちゃあ、瀬戸内人魚の名折れじゃきん!」
(燦ちゃん、いつもこんなノリでよく今まで人魚ってこと隠してこれたな。っていうか、魚類の的屋が金魚を売ってるってことは身内売買!?深く考えるのはよそう……)

偶然の出会いから人魚のお嬢さんと結婚することになった主人公。けれど、人魚のお嬢さんは極道の娘さんで、怖いお父さんが結婚に反対して……というジェットコースタ系コメディ作品(今考えた分類)。
いや、これは凄い作品ですよ。話の山場に差し掛かると30秒に1回くらいの割合で飛び出すギャグが実に秀逸。この迫力とテンポの良さは『マジカノ』にも通じるものがありますね……なんて考えていたら、同じ監督でした。
そんなわけで僕の考える『瀬戸の花嫁』の良さとしてギャグの秀逸さが挙げられるわけですが、ただ秀逸であるだけではなく、ギャグが物語の中にしっかりと食い込んでいる点も評価したいと思います。物語の骨格となる恋愛の中で、ギャグがある意味では煙幕として有効に機能しているのです。わははと笑っている内に、場面はいつのまにかシリアスな部分へ。その落差を強調すると共に、一面的な見方を反省する主人公への共感を呼び起こす展開。古典的ではありますが確かに有効であると言えるでしょう。
あとは「飛び交う讃岐弁」なんてのも見所のひとつ。モモーイかわいいよモモーイ。これで野川さくらが加われば……というわけで、この先が最も楽しみな作品のひとつです。
最後にOP曲を紹介。桃井はるこ野川さくら『Romantic summer』