『ゲートキーパーズ』―王道?熱血アニメ

佐藤順一は大好きな監督さんです。どれくらいかと言えば、うちのパソコンが『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』と一発で変換できるくらい。そんなわけで、佐藤順一氏が総監督を務めるアニメ『ゲートキーパーズ』を鑑賞しました。
アニメ製作は共同作業なのだから、監督で作品を選ぶのってどうなの?みたいな感じはありますが(でも、他にないもんね)。

ゲートキーパーズ Vol.8 [VHS]

ゲートキーパーズ Vol.8 [VHS]

舞台は高度経済成長期の日本。インベーダによるひっそりとした侵略を受ける人類は、地球防衛組織「イージス」を組織して、これまたひっそりと防衛に励むことに。この作品はそんな日本を舞台に、恋愛を、巨大ロボットを、熱血主人公を描いた王道一直線のアニメです。
最初の頃は「これは『ナデシコ』と同じことをやろうとしているのではないか」なんて深読みしながら見ていたのですが、途中から「これは気楽に見た方が面白い」と思うようになりました。確かに、あえてコテコテの熱血アニメにすることで逆に熱血アニメの不自然さを強調しているようにも読めるのですが、普通の熱血アニメとして見た方が面白いのだから困ったものです(本当は全然困っていない)。
ゲートキーパーズ』は物語における「フォーマット」の存在を意識し、大部分においてはそれを踏まえた構成になっていると言えるでしょう。しかし、この作品はとにかく扱う範囲が広く、従来の熱血アニメが切り捨てた領域まで手を伸ばした点に価値がある、と僕は考えます。
1話完結を基本にして多種多様な話を描き、完全に端役だと思われていたキャラクタにもしっかりとスポットライトを当てるこの作品は「結局何がしたかったんだ?」と思わなくもないですが、とても楽しい。
1作品でバラエティに富んだ内容を、という意味で遊園地の1日フリーパスみたいな作品です。