『アンダルシアの犬』−シュルレアリスム映画の古典

アンダルシアの犬 [DVD]

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1929年のフランス映画なのですが、事前情報なしでこの作品を見たらビックリするでしょうね。パッケージの裏側や、淀川長治のネタバレ解説は作品の後で見ることをオススメします。
『アンダルシアの犬』なんですが、サルバドール・ダリが脚本に参加していることからもわかるように、シュルレアリスムの影響下で作られた作品です。第1次世界大戦などによる「理性への不信」という点ではダダイズムとも連続しているし、夢で見るような突飛な連想が描かれる辺りはフロイトの影響も見られるでしょう。
しかし、シュルレアリスムシュルレアリスムである最大の要因は、芸術であろうとする意思そのものではないかと思います。見る人を驚かせよう、新しいことをやってみようという製作者の意図を感じさせるのですが、そういう意味では大人の作品であり、エンタテイメントとして十分通用するものになっています。
映像を読み解くのではなく、そのままの形で楽しむという楽しみ方自体が新鮮で、色々なエッセンスを吸収できた気がします。