とらいあんぐるハート 〜Sweet Songs Forever〜

北都南田村ゆかりという変換公式が確立されて久しい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。『魔法少女リリカルなのは』の最新作も発表されたこともあり、原点回帰を図って『なのは』の原作であるところの『とらいあんぐるハート』アニメ版を鑑賞してみました。目を背けてはいかんと思うのですよ、『なのは』が18禁作品出身であることからは。君たちはエロゲから得たものを子供たちに還元しているか?大人を逃げるな!みたいな。
ところでアニメ版にはこんなシーンがありました。

「それを極めた剣士の前では、全てがゼロになる。間合いも距離も、武器の差も……」
シャキーン!(効果音)
小太刀二刀御神流「閃」(テロップ)
「ぐはっ!」

バー!やばい超格好良い!惚れた。

そこはかとなく人気のPCゲーム原作のOVA
物語はイギリスの歌姫であるフィアッセ・クリステラの元へ脅迫状が届くところから始まります。そんな彼女の元へ訪れたのが高町恭也・美由希兄妹。幼い頃の友人であり、今は世界公演を控えたフィアッセを守るために戦う2人。イギリスで、そして最初の公演地である日本で、フィアッセを巡り人々の思惑が交差します。
見所は登場人物のキャラクタ造形でしょうか。古流剣術の使い手という設定なのですが、「箸で蝿を捕まえる」みたいなさりげないやり方ではなく、もっとストレートに奥義(!)を連発して視聴者をビックリさせる、みたいな演出が多いです。深読みさせない、素直な描き方だと言えるのではないでしょうか。
あとは「理性的」な存在として描かれている高町兄妹と、「狂気」を体現した敵役との対比が面白いと思います。フィアッセを守るためなら人殺しも厭わない高町兄妹はあまりに理性的だし、殺人を楽しみ、自分の「死」さえも笑ってしまえる敵役も、それはそれで筋が通っている。
個人的には敵役の方がより好ましく感じられたのですが、ただ、この作品で描かれている「狂気」というものはあくまでも「理性との対比」あるいは「理性の不在」によって成り立っています。そのため、僕はこの作品を見ながら「理性を必要としない狂気というのはありえるのか?」という疑問をずっと考えていたわけですが、まあ、それは作品の評価とは関係のない話。
あとはフィアッセ役の長崎みなみには要注目です。『D.C.』でみなみおねいさんを知った自分としては「ど、同一人物か!?」みたいな衝撃を受けました。すごい凄い。その他にも緑川光鳥居花音日向裕羅北都南など豪華メンバーの演技にも要注目です。