AIR IN SUMMER

「おそれながら、柳也さまは殺さずの誓いをお守りになるでしょう」
「なぜそう思う」
「あの時、その者を切り捨てよ、と神奈さまが命じられたなら、柳也さまはどうなさいました?」
「怒っただろうな。人の命を軽々しく扱うな、って。大人は子供に範を示してやらないとな」
「その通りでございます」

AIRは本編も夏の話なのですが、IN SUMMERとはこれいかに。「さあ」。

AIR IN SUMMER(初回限定版) [DVD]

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物語はAIR本編の途中、8話と9話の間で起こった話です。
時代は平安時代。翼を持った少女である神奈は、侍女の裏葉、随人の柳也と共に、母に会うため屋敷を抜け出します。追っ手から逃れつつ旅を続ける3人。その道中で起こる小さな挿話が2話分収められています。本編の内容を補完するというよりは、内容を膨らませたという方が適切でしょう。
これはAIR本編にも言えることですが、人によっては『AIR IN SUMMER』におけるリアリティの無さが気になるのかもしれません。確かに、舞台設定が平安時代であることを考えると、登場人物たちがヒューマニズムを振りかざしているのはリアリティがない、と言えるでしょう。
しかし、たかがリアリティとも言えるわけで。『AIR』の凄さというのは、描きたかったこと(家族愛とか)のためならリアリティでも何でも犠牲にしてしまえる、そんな潔さにあるように思います。
普通、ここまで潔くはなれないですよ。例えるなら『AIR』はドミノ倒しに近い。いちどドミノが倒れ始めたら、もう、その後何をやってもテーマに直結してしまう。『AIR IN SUMMER』は本編の終了からそこそこの時間が経っていたこともあり、独立した作品として見ることも可能です(多分)。にも関わらず、それをしようという気に全然させないのが『AIR』らしいですね。
それから、Blu-ray版ではアニメ版唯一の欠点だったOPがフルサイズ収録されています。これでもう、何も言うことはありません。ああAIRのロゴ格好いいなぁ。
http://www.youtube.com/watch?v=PFp2Us3ofc0
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