ワープロ時代の文章法

記事を書く時あなたはどっち? - 『斬(ざん)』
記事を書くとき、頭の中できっちり構成してから書き始めるか、それとも書きながら構成を考えるか。あなたはどっち?という話。
僕の場合は完全に後者。記事を書くときは、一番最初に「というわけで〜なのです」と結論を書いて、しばらくの間隅っこに移動しておきます。この時点では「何が『というわけで』やねん!」という感じですが、そこはグッと我慢。
それから文頭に戻って、論証をひとつずつ書き出していきます。ここでも順番は無視。イメージとしては、ガンプラの手足をひとつずつ作っている感じ。満足したら部品を組み立て始めます。コピペを使って順番を入れ替え、一番読みやすい順番を模索します。それから接続詞を補ったり、補足文を入れたり。
けれど、「創作」と呼べるのは部品を作るところまで。あとは伝えるための「手段」にすぎないのではないか、と思ったり。人間の思考はシーケンシャルには出来ていない、いきなり結論から始めても良いじゃないか。とか考え出すと、後半がおざなりになって読みにくーい文章がwebに撒き散らされるから問題だ(とは思っていない)。
ニュートンはりんごが落ちるのを見て万有引力の法則を発見したといいますが、もちろん両者はイコールではありません。この逸話から「論理的な思考」を見出すことも、「流れるような美しさ」に感動することもできません。人間の発想とは、もともとランダムなものです。まずはその事実を受け入れること。それから自分にあった書き方を探せば良いんじゃないかなぁ、というわけで僕はこんな書き方になりました。
紙とワープロで文章に違いは生まれるか?答えはNOです。読み手が一緒なんだから、読み手を意識すれば同じになるのが道理というもの。けれど、文章の裏側にある思想には大きな違いがあるんじゃないかな、と思います。それは「間違えたら消せばよい」なんて後ろ向きなものではなくて、「どこから書いても良い」という、発想の自由を保障された世界観そのものではないでしょうか。