ロリータ

ナボコフ原作の映画『ロリータ』が深夜に放送されていたので、寝ずに見ていました。
で、感想。これは凄い。文句なしの傑作です。
中年の教授が12歳の少女に恋をするこの作品、普通なら読者を放り出して延々と煩悶する退屈な作品になるところですが、実際は大胆な行動、意外な展開とエンターテイメントしちゃってます。
かと言って面白いだけでは終わらせず、クライマックスの後に残る、何ともいえないやりきれなさ。ここまで酷い話にしなくても……と言いたくなるくらいです(言わないけど)。
扱っているテーマが明らかにマイノリティのそれであっても、料理の仕方によって普遍的なものになりうる、ということを示してくれたこと、同時に内省を促すこととエンターテイメントが必ずしも矛盾しない、ということを示してくれたという点で非常に価値のある作品だと言えるでしょう。
原作は読んでいないので何とも言えないのですが、ひとつの映像作品として抜群に優れていると感じました。安心して誰にでもオススメできますね(薦めないけど)。

ロリータ [DVD]

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