聖なる夜に

今夜はクリスマス。人工の灯に照らされた街は、どこまでも明るい。
誰かが光を浴びた分だけ、誰かが陰に覆われる。
明るいは暗い。嬉しいは悲しい。楽しいは辛くて、みんなはひとり。
世界はどっちに向いている?自分はどこに立っている?
不安だから仮面を被り、目を閉ざす。何も見えなければ、安心できる。
美しき退廃の街は、盲目で出来ているのだ。恋人に指輪を送る君も、家族とケーキを食べるあなたも、パソコンと共に引きこもる僕も、まるで同じ存在だ。
だから僕はみんなに言える。メリークリスマス!
さっさと教会に行けこのクリスチャンどもが!