デザインの目的と対象

そもそも何でこんな駄文を書き始めたのかと言えば、少し前に無断リンク問題に関する記事を書いた時、はてブでもらったコメントが面白かったからです。

id:suVene「リンクする」のは、する側のコンテンツであるという考えがいつも抜けてる気がする。
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/tukinoha/20061014/p2より

そうそう。デザインの目的は「豊かさの実現」に尽きるのですが、その過程でしばしば起こるのが「作り手」と「使い手」の混乱なのです。「作り手」は「使い手」でもあるのですが、どちらかといえばデザイン現場における「クライアント」に近い立場にいるため、しばしばエンドユーザを無視した「誰が使うの、これ?」なものを生み出してしまいます。
例えば、ブラウザの「戻る」以外にトップページへ移動する手段を持たないサイトとか。前述の無断リンク問題も「誰のためのデザインか」という意識の欠落が原因ではないかと思った次第です。
このような問題を解決するためにも、デザイン学(こんな言葉あるの?) の考え方は重要なものとなります。たぶん。そしてウェブデザインの具体的な手段として
はてなブックマーク - 第26回 どこにメニューをおくべきか,どこが画面の一等地か:ITpro
で書かれているような、「カタチそのもの」だけでなく(これはこれで重要なんですが)、「ブログへの愛着」や「伝統」などの目に見えないものをデザインすること、そして何より「そのブログを訪れるストーリィ」をデザインすることなどが挙げられます(これらはまた今度詳しくやります)。
で、このようなデザインを実現するために必要となるのが、想像力です。
デザインに興味のある方なら一度は「ALESSI」の名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。イタリアの家庭用品メーカーなのですが、はっきり言ってバカ高いです。それでも売れている原因が、「台所用品って、使っている時間より、テーブルの上においてある時間の方が長くないか?」という考えから「飾って楽しい」デザインを実現したことにあります。
http://www.rakuten.ne.jp/gold/nuts-alessi/special.html
これ、本来の用途に拘っていては出来ないデザインですが、理に適っていますよね。ウェブデザインに求められるのも、「出来るだけ幅広い使い方」を許容することです。
今日のまとめ
①誰のためのデザインか、よく考えよう。
②デザインはカタチを通してカタチのないものを表現する。
③想像力を働かせ、幅広い使い方を許容しよう。