ちょびっツ

確かにパソコンって、何でも出来て、人間よりずうっと良くて……。いるんですよね、人よりパソコンの方が良いって人も。だからそうなると、人の側に、人はいられなくなっちゃう。

第1話を見て「これが若さか……」と衝撃を受けた『ちょびっツ』を昨日見終えました。

ちょびっツ Disc.7〈初回限定版〉 [DVD]

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パソコンが人型になってしまった(何故か)世界で、主人公が初期化されたパソコンにあれこれを手取り足取り教える話です……なんかエロいな、と思った諸兄、事実キワドイです(特に第1話)。
しかし、このアニメを単なる大きなお友達むけアニメと見るのは大間違い。伏線に伏線を重ねたシナリオは実に精緻です。本当に凄い。精緻なだけではなく、一言でいえば「パソコンと人間が恋愛する話」なのですが、そこからは想像もできないくらい普遍性を持った話でもあります。
それもこれも、与えられる情報のひとつひとつに意味があり、無駄なことが描かれていないからでしょう。全ての情報がある意思に基づいて生み出されていると感じました。ややオーバーに言えば、思想を感じる作品です。
もちろん、何も考えずにヒロインの『ちぃ』に萌えるのも可です。いやあ、田中理恵は実に素晴らしいですね。最初、ネコミミメイドさんと同じ人だとは気づきませんでしたよ。
原作も読みましたが、CLAMPが何でも書けることを再確認しました。青年誌初連載とは思えない適応ぶりです。アニメとの親和性が高いのは、線の細さのためでしょうか(アニメーターが漫画を書くと線が細くなるらしい)。
ちなみに、「パソコンが人型って、そりゃロボットだろ」という疑問には、アニメでは答えられていません。原作の最終話を読みましょう。
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