『かりん』−○血鬼ラブコメディ
- 作者: 影崎由那
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/09
- メディア: コミック
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血がどばどば出てきます。ちょい理屈っぽく解釈すると、血というのは自身の一部として懐かしさを感じさせると同時に、汚らしいものとして忌避もされるという両義性を持っているわけです。クリステヴァが「アブジェクト」と呼んだのがこれ。そのため禁忌や倒錯といった両義性の絡む宗教的モチーフとも密接に関連しており、吸血鬼はその辺の感覚から生まれてきたのではないかな、と思います。以上、『かりん』とは全然関係のない話でした。
閑話休題。
とりあえず6巻まで読みましたが、非常にテンポが良いと思います。ラブコメの中にシリアスな展開へと繋がる伏線を織り込んで、ぐいぐい先へと引っ張ってくれます。
コマの使い方も上手くて、例えば「○○くんのことなんて全然好きじゃないんだから!」とヒロインが叫んでいる後ろに○○くんが立っているなど、奥行きを利用してひとコマの中に多くの情報を詰め込んでいる感じです。
あとキャラクタが赤面している確立が高い高い。主人公とヒロインは顔を合わせれば毎回のように赤面して、もしかして元々そういう顔なのか、と思ってしまうくらい。オーバーな表現じゃないの、という気もしますが、青春らしくて悪くない。
個人的な好みを言えば、もう少し頭が小さい方が良かったですね。俯角、仰角のアングルだとバランスが良いのですが、『かりん』では真正面からのアングルが多いので。