天空のエスカフローネと涼宮ハルヒ

「バァン!ひとみの声が聞こえた。ひとみが待っている」
「……ああ!」
「バァン……」「白い……白い竜が……」

物語の舞台は「空には月と地球が浮かぶ世界」ガイア。地球の少女・神崎ひとみはガイアにあるファーネリアという国の若き王・バァンと出会い、ガイアへと旅立つことになりました。ガイアでは戦乱が続いており、バァンと彼の操る人型機械・エスカフローネ、そしてひとみは戦いへと巻き込まれていきます。
ガイアという世界の秘密、「何故か」必ず当たるひとみの占い、そして、バァン・ひとみ・アストリア王国の騎士アレンとの微妙な関係。物語は加速を続け、全ての要素はやがてひとつへ結びついていくことに。
少女マンガ的な世界観を持ったファンタジーの名作。こんなブログを読んでいる暇があるなら見(以下自己否定になるので省略)

天空のエスカフローネ Vision 7 [DVD]

天空のエスカフローネ Vision 7 [DVD]

物語の核には「想いが世界を動かす」という、いかにもファンタジーな設定が存在しています。詳細については実際に見て確認して欲しいのですが、これって、そんなに特別なことではないんですよね。恋する2人が世間によって引き裂かれたり、逆に接近したり。想いが最初にあって、それをどう活かすかが作品においては問題となる。それを可視化したのが『エスカフローネ』であり、『涼宮ハルヒの憂鬱』であると言えるでしょう。そう考えると両作品のOP冒頭における類似もわざとなのかな、と。
天空のエスカフローネOP
涼宮ハルヒの憂鬱OP
アクションについては抑えの利いた、端正な演出であると感じました。例えるなら、「スーパーロボット対戦」に登場させるのが難しい作品。同じくファンタジー要素の強い『聖戦士ダンバイン』と比べてもさらに地味です。
しかし、演出に力がないというわけではありません。巨大兵器が動く際のリアリティというものを追求するとこんな演出になるのでは、という感じ。やっぱり巨大なロボットは地面をずしーんずしーんと動かないと駄目なのですよ(偏見)。
10年前の作品ということで敬遠している人もいるでしょうが、優れたコンテンツはなかなか古くなりません。少なくともこれからアニメを見ようとする人にとっては、最新の作品と同列に、選択肢の一部としておくべき作品であると思います。