逆に考えるんだ。否定論者は全員釣り人だと考えるんだ。

日本軍史料をスルーしそうな人たちが「南京」の映画を製作するもよう - クッキーと紅茶と(南京事件研究ノート)
面白いことになるだろうなと思ったら、案の定面白いことになっている模様。
映画『南京』反応メモ - good2nd
カーニバルというか、見本市というか。おそらく既に社会学の見地による論考もなされているでしょう(たぶん)。僕自身はだいぶ前に南京事件についての記事をひとつ書いて、それで飽きたわけですが(だって生産性がないんだもん)。
南京事件否定論者への処方箋 - tukinohaの絶対ブログ領域
記事の中で僕はこんなことを書きました。

この記事を書くために論文を検索してみたのですが、驚いたのは「南京事件」で引っかかる「諸君」「正論」「文芸春秋」「Voice」の多さ。あと「櫻井よしこ」もやたら多かったですね。何回同じ話をすれば気が(ry)。
誰が買ってるのでしょうか、あの手の雑誌。オピニオン誌っていうそうですけど。

記事を書いた翌日、僕はある先輩と話をしていたのですが、まさにその方が買っていたわけですよ。オピニオン誌を。かなり頭の良い人でさらに歴史学の関係者なので、書いてある内容を鵜呑みにするとは思えない。
で、僕は「学会で冷や飯食わされている連中が書いている雑誌のどこが良いんですか?」と聞いてみました(酷い←誰にだ)。
その先輩曰く「学会で冷や飯食わされている連中が書いてるから面白いんだ」と。
なるほど。
確かに面白そうだ(というか、それ以上の価値を見出すことは難しいと思う)。
僕にとってそれは自分の専門に(時間的に)近い問題なのでちっとも笑えないのですが、外から眺める分には面白いのかもしれません。物事に対して達観してくるとそういう楽しみ方が出来るようになるのかな。
もしかしたら。世間で言うところの「ネットウヨク」はみんなジョークのつもりで適当なことを言っているのかもしれない。彼らは「逆ネットイナゴ漁」としてサヨクを釣っているだけなのかもしれない(参考⇒http://bogusnews.seesaa.net/article/22600355.html)。
そんなわけないけど。そう思ったほうが面白いのは確か。
というわけで、南京事件否定論者を見かけたら「釣れますか?」と暖かい声を掛けることを推奨したいと思います。れっつ声かけ。暖かい街づくりは声かけから。嘘。
同様に、優れた釣り人に対しては惜しみない賞賛を与えるべきです。この記事では、ひとりだけ天才的な釣り人を紹介しておきましょう。

(前略)
これら圧倒的大多数の日本兵は実際に虐殺を見ていないのだから、「虐殺があった」とも「いや、虐殺は無かった」とも言えず、ただ「え!? 知らなかった」と驚くのが普通であろう。目撃をしていないのだから否定も肯定もできないのである。
(中略)
よく大虐殺肯定派が返答に困って終いに「外務省も南京大虐殺を認めている」と言うが、これも上の論理と同じである。外務省のホームページには「日本政府としては、日本軍の南京入城(1937年)後、多くの非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています。」つまり、外務省も見ていないから否定も肯定もできないのである。ゆえに「あった」という話だけが尾ヒレをつけながら一人歩きを始めたのだ。
“NANKING” is Documentary or Propaganda? | as subjectively as possibleより―

なんて凄い言語姦覚。この人はもっと評価されて良いと思います。


追記

世界的に南京大虐殺の否定が受け入れられないのは、「レイプ・オブ・南京」のような虚偽の多い書物が発行されても、日本国内からそれを否定する言論が出なかったからだと思われます。中国のプロパガンダにすっかり負けていましたし、「なかった」と言うだけで左派に袋叩きにされ弾圧される時代が続いてましたから。
イメージしてごらん。南京大虐殺なんてないんだ: atsuのB級ニュース批評より―

マルクス主義史観という言い方が悪いのか、よく勘違いされるのですが、歴史学の分野では昔の方が反中の傾向は強かったはず。たしか。左派だから親中というわけではありません。だから南京大虐殺研究とイデオロギーはあんまり関係ないかも。
あと、『レイプ・オブ・南京』を今更持ち出されても、正直ちょっと困る。「間違いがあるぞー!」と鬼の首を獲ったように騒がれても、それぐらい関係者は知っていますよ、と。


さらに追記
アニメについて書くことがないと真面目な話を始めるという不真面目さ。あんまり僕の言うことを信用しないでください。(びくびく)(ここを見ている知り合いには日本史学の関係者が多いから危ないぞ)(だから普段は歴史の話をしないのだ)(なるほど)。


またまた追記
あ、あのう……だから信用しないでくださいってば。誤解のないように……って、理解と誤解は同じものなんですけどね。