ef - the first tale.

そう 冬の結末だけではまだ終わっていない。
―まだ終わりではないことを、俺は知っている。
優子は柔らかく微笑み、小さく頷いた。
ああ、もっと聞かせてくれ。
今の優子が関わってきた者たちの話を、お前の言葉で。
幸せを手に入れた者たちの、もうひとつの物語を―

ef - a fairy tale of the two.』の第1部『ef - the first tale.』をコンプリート。以下、感想ではない何かです。ちゃんとした感想はまた後で書きます。

エロゲの歴史はどこまで遡ることが可能なのか、僕はこの世界にそれほど詳しくないので知りません。ただ、その歴史の始めから流れてきた、エロゲ的に「お行儀が良くて」「模範的で」「優等生」だけど、「インスパイア」で「剽窃」、良く言えば「お約束」な水脈が今でもこの世界に流れ続けていることは容易に想像できます。
世界はちょっとだけファンタジーで出来ていて、ヒロインは近所に住んでいる幼馴染。彼女が出来ると、モテモテ主人公の周りにいた「彼女以外の女の子」がみんなみんな消えてしまう。三角関係に負けた女の子も、ずっとずっと主人公のことを物陰から思い続けるのです。「それくらい良いよね?」と言い残して(誰のことだろう……)。
そんな「優等生」たちを相対化してしまい、いかに不自然なものであるかをまざまざと見せ付けてしまう作品。それが僕にとっての『ef - the first tale.』です。
非常に面白かった。面白かったので、レビューを書いてみたくなりました。ついでに、普段はあまり人の意見を気にしないのですが、慎重を期して他人の『ef』レビュー]を読んでみることに。
ErogameScape−エロゲー批評空間−
で。

ふざけるな。
久々に怒りが込み上げてきました。
何に怒っているかと言えば、「1話2時間半で読みました」みたいな、ろくに時間を掛けて読んでいない連中に「退屈」だの「平凡な話」だの言われている作品が可哀想で可哀想で。何が「お勧めできる人:傍観者的な視点でプレイできる人、全くのギャルゲー初心者」だ。お前は初心者でなくても、単なる消費者だろうが。
いや、別に「面白くない」と感じるのが悪いというわけではありませんよ。ただ、ろくに読んでもいない個人的な感想の分際で(暴言だ)「駄作」だとか、さも公然の事実のように喧伝することが許せないのですよ。
現代的なテクスト楽しむには、急がず、あせらず、ゆっくりと意味を摘み取っていくことが大切です。この先に何が起こるのか気になるので飛ばし読みする、というのは許されない。文章それ自体が起こす言語活動を楽しめ、暇をもてあました老人みたいな読み方をしろ、ということ。少なくとも、一般論として他人に意見しようというのなら。そんなに泣ける話が好きならずっと「AIR」でも見てろ。けっ。


レビューを書くつもりだったのに、ほとんど他人のレビュー批判になってしまった。作品のレビューはまた後で書きます。