ハチミツとクローバー

四つ葉のクローバーを探すために三つ葉のクローバーを踏みにじっちゃいけない。 幸せはそんなふうにして探すものじゃない。

上の言葉は初出がよくわからないのですが、私が確認した限りでは2chの「お前らの好きな名言教えれ」スレが最初です。http://blog.livedoor.jp/ayacnews/archives/50713821.html
何か原型があるのかもしれません。ご存知の方、ぜひご一報をお願いします。
さて、上ではあんな言葉を引用しましたが、四つ葉のクローバーは殆どの場合、三つ葉のクローバーに囲まれて生えています。手に取りたいけれど、三つ葉を踏まずには先に進めない。そんなジレンマに襲われながら、僕らはおっかなびっくり生きています。このジレンマを、ジレンマだと感じるうちが青春なのでしょう。
というわけでこんなの読みました(久々!)。

ハチミツとクローバー (10) (クイーンズコミックス―コーラス)

ハチミツとクローバー (10) (クイーンズコミックス―コーラス)

美大生やデザインを仕事とする人々の姿を描いた作品。ただ、「動物のお医者さん」のようなドキュメンタリー的な作品と比べると美大独自の日常描写は少なめで、あくまでもそこに生きる人々の恋愛模様がメインとなっています。
彼ら彼女らの関係は三角四角と複雑で、最終的にどうなるのかギリギリまではっきりしません。この展開の読みづらさ、意外性は素晴らしいと思います。特に物語後半の9巻・10巻は物語が加速度的に勢いを増し、最終話で少し余韻を残して終わり。いやあ、本当に「読ませる」構成ですね。
もし、「ハチクロ」の魅力をひとつだけ挙げるとしたら、それは登場人物たちの「しぶとさ」でしょう。振られても、あきらめても物語の本筋から退場せず、最後まで何らかの形で関わってきます。この「捨て駒なし」な話をつくるのは簡単なことではないでしょう。切れ目無くそれぞれの登場人物に見せ場をつくらなくてはいけないのですから。
さてさて先日は「ef - a fairy tale of the two.」の話を取り上げましたが、この作品の製作コンセプトのひとつに「三角関係でふられた女の子はどうなるんだ?」という疑問に対する答えが盛り込まれています。その答えを一足先に提示したのが「ハチクロ」だと言えるでしょう。もちろん、答えの内容は違うと思いますが。
で、明日は朝早いわけです。「明日は朝が早いぞ」と思いながら読む漫画が一番面白いって本当ですね。ではお休みグースカピー。