2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

大正デモクラシーのある風景

野村隈畔『文化の問題』(京文社、1922年)より。 余が或る日、上野駅から市外線の電車に乗ると、帰営をいそぐ赤羽工兵隊の一兵士が余の側に腰をかけた。彼れは頻りに時計を出して眺め、帰営時間が遅くなると見えて電車の発車するのをもとかしがり、腰が落ち付…

伊藤計劃『虐殺器官』

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)作者: 伊藤計劃出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/02/10メディア: 文庫購入: 75人 クリック: 954回この商品を含むブログ (517件) を見る「西洋における権力の大形式」をフーコーにならって整理すると、以下のようになる。 1…

柴村仁『プシュケの涙』

プシュケの涙 (メディアワークス文庫)作者: 柴村仁,也出版社/メーカー: アスキーメディアワークス発売日: 2010/02/25メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 89回この商品を含むブログ (37件) を見る・この作品のどこが評価されているのか、私には全然わからな…

京都に帰ってきました。実家にも「帰る」けど、京都にも「帰る」。 実家にいる間は、犬と遊んだり、犬と散歩したり、犬の食事を世話したり、あと稀に本を読んだりしていました。うちの犬は世界一可愛いと思うのですが、おそらくみんな同じ事を考えているでし…

私信

しばらく帰省します。その間連絡がとりづらくなるかと思いますが、あしからず。

『現代思想』24(5)総特集「ろう文化」

現代思想1996年4月臨時増刊号 総特集=ろう文化出版社/メーカー: 青土社発売日: 1996/04メディア: ムック購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログを見る1996年の特集ということで、いまさらの話ではあるのですが、巻頭の「ろう文化宣言」以下刺激的な内…

交換とは限定された戦争である

という一般論について。企業戦士の心得を説こうというわけではない。 他人のものが欲しい、と思ったとき、取るべき手段は3つある。 1.奪う 2.諦める 3.交渉して自分のものと交換する。 1はリスクが高い。2は得るものがない。3がベターである。しか…