2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

桐原いづみ『ひとひら』

偉人や文学者でもない普通の人間に紡ぎ出すことの出来る、普通の言葉。その中でもっとも価値がある言葉は、一度言葉を失ったあとに「それでも」言おうとした結果として出てくる言葉ではないか、と僕は思っています。 「筆舌に尽しがたい」「言語に絶する」「…

「反復」と「ループ」―前置きの長い「エンドレスエイト」論―

「エンドレスエイト」について細かく説明する必要はないだろうが、要するに「ループもの」の作品として同じエピソードを(演出を変えながら)毎週繰り返し放送しているわけである。作画オタクは作画監督ごとの個性について、演出オタクは「今週の絵コンテは〜…

「自分語り」あるいは「自己との対話」について

自分は、直接自分自身に向けて語りかけることは出来ない。過去の偉大な指導者や思想家は「神」や「歴史」という具体的な他者への語りかけを通して自らの内面と対話し、それを表現したが、現在では「他者性なき他者」への語りかけを通して自己と対話するのが…

『ヱヴァ破』感想

ストーリィのネタバレにならない範囲で箇条書き。 ・「もしもヱヴァの監督が〜だったら」 「押井守の場合」。公開前からインタビューをばんばん受けて、「初号機の角はファルスのメタファー」とか「ラストシーンはセックスの隠喩」などとネタバレして顰蹙を…

「もうひとつの世界 杏編」(『CLANNAD AFTER STORY』番外編)についての雑感

『CLANND』については最終話付近の展開がどうにも納得できなかったこともあり、このまま忘れてしまう予定でした。ただ、DVD最終巻に収録されている番外編「もうひとつの世界 杏編」の絵コンテ・演出が高雄統子さんだと聞き、これは一応チェックしなければ、…

・今さらながら『ホワイトアルバム』の DVD1巻を観た。諸事情でリアルタイムの視聴を途中で止めてしまったのだけど、その頃からこれが秀逸な作品であることはわかっていた。それにしても面白い……。第1話から過剰なほどに「声」が氾濫している。でも物語を動…

『涼宮ハルヒの憂鬱』についての雑感

第2期のOPを見ていると、京アニはぼちぼちエロゲのOPでも作りそうな勢いだなと感じる今日この頃。普通に考えれば「key」でしょうけど、あえて「アトリエかぐや」辺りを希望。あ、別に本編のアニメ化でもいいですよ。 という冗談はともかく、よく「ハルヒはビ…